
仏教と飛鳥には深い関係があります。
仏教は欽明天皇の時代に百済から伝えられました。
そういう意味では、仏教も外国の宗教だったわけです。
古来より神様を信奉してきた日本人は戸惑います。
果たして、この舶来の仏教なるものを受け入れるべきか否か・・・。
かくして仏教を擁護する蘇我馬子と、仏教を排斥すべきだとする物部守屋の対立が起こります。
蘇我馬子のお墓ではないかと云われる石舞台古墳は明日香にありますよね。

聖徳太子の父親に当たる用明天皇がお亡くなりになられた後、国は混乱に見舞われたと伝えられます。
蘇我馬子が物部守屋を滅ぼすことにより、その勢力を拡大することになりました。
蘇我馬子が日本で最初の寺院を創建することになるわけですが、そのお寺こそが今の飛鳥寺だったんです。
神様仏様、神か仏か・・・
現代に生きる私たちも、事あるごとに神様仏様に手を合わせます。
神様仏様の語順が表すように、日本においては仏様より神様が先なんです。
お寺よりも神社が先なわけですね。
日本人には元々、異質のものを受け入れていく融通性があります。
自分と違ったものでも柔軟に受け入れて、さらにバージョンアップして発展していく。日本のお家芸といったところでしょうか。
神道を重んじる神社の中にも、神宮寺と呼ばれるお寺が作られたりもします。
八百万の神を信仰する日本人ならではの発想です。
日本で最初の本格的寺院が飛鳥(明日香)にある。
このことを忘れてはなりませんね。
蘇我馬子、聖徳太子などの仏教を擁護した歴史的人物も飛鳥にゆかりがあります。
聖徳太子生誕の地と伝えられる橘寺も飛鳥(明日香)に佇みます。
百済から海を渡って仏教は伝えられました。
神の山と仰がれる三輪山のふもと~山の辺の道の発着地点に
仏教伝来の地碑が建てられています。
もちろん、この石碑のある場所も奈良県内です。
仏教の起源を考えるとき、奈良の懐の深さを改めて感じさせられました。